お客様からの質問に答える際の注意点

 今回は、お客様からの質問に答える際の注意点についてお話します。

 例えば「こういうことはできますか?」という質問に、お客様が最後まで言い終わらないうちに「できます!」と回答して、”受注が欲しいガッツキ感”が出すぎてしまうことがありますよね。

 間と伝え方で、お客様との意思疎通は大きく変わります。

お客様からの質問に対する営業のスタンス3タイプ

 お客様からの質問のなかでも、

  • 初回訪問、関係ができていない段階での「品定め質問」

  • 提案後のクロージングにおいて、お客様が判断前にしてくる「確認質問」

については、答え方の”雰囲気”がお客様の心象に大きな影響を与えます。
こういうときに問われるのは、営業の「あり方」です。

 営業のあり方は3タイプに分かれます。

(1)お客様からの質問を「攻略対象」として見る
(2)お客様からの質問を「情報」として見る
(3)お客様からの質問を「氷山の一角」として見る

 これらのうちどれに該当するかによって、答え方の「間」や「タイミング」、「伝え方」が変わってきます。

(1)お客様からの質問を「攻略対象」として見る

 このタイプは、お客様の台詞を聞いているようで聞いていません。
聞かれたらとりあえず、「受注に有利な方の回答」を条件反射でしてしまうのです。

「できますか?」→「できます!」
「ありますか?」→「あります!」

 このような回答は、その後で炎上する案件になることが多いですね。

(2)お客様からの質問を「情報」として見る

 意外と落とし穴になりやすいのはこのタイプです。
情報として間違ったことは答えていないけれども、どうにもお客様が腑に落ちないのです。
数分後、お客様が表現を変えて似た趣旨のことを尋ねてきても「先ほども申し上げましたように〜」と、また「情報」で答えてしまいます。

(3)お客様からの質問を「氷山の一角」として見る

 このタイプは、質問に対して、裏にある背景や文脈や感情を汲み取ろうとします。
質問の台詞→裏にある意図→その裏にある感情→さらにその裏にある文脈→そしてまたさらに裏にある背景……
といったことを、きちんと理解しようとしながら答えていくタイプです。

 結論から答えるのがよいか、何秒の間を置いて答えたらよいか、どういう表現で答えたらよいか……こういったことは、すべて表面的な「テクニック」の問題です。

 重要なのは、「まだ自分には見えていないような、何かがあるのでは」「そこに、お客様にお役立ちするための手がかりがあるのでは」という姿勢ですね。

 

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高橋浩一