営業マネジメントにおいて手段が目的化するリスク

 マネジメントするうえで、「手段の目的化」に注意していますか?

例えば営業では、

  • アポ件数の行動目標 →とりあえず行きやすいお客様を訪問する

  • 日報 →報告をやたら詳しく書くことに時間をかける

といったように、油断すると手段が目的化しやすいものです。
これを避けるためには「フェーズアップ」に注目する必要があります。

 
 

行動の「量」だけでなく「質」も見る

 「週に10件訪問せよ」といった行動目標を設定されている営業組織は多くあります。
この背景には、

(1)大量行動が成果につながるはず
(2)いきなり売上は増えないから、まずはその手前の訪問件数を増やすべき

という考えがあります。
これは確かにその通りなのですが、行動の量だけでなく「質」もあわせて見ていかなくてはなりません。

 訪問件数を増やしたとして、「その訪問はどうなったのか」を見る目線が、「売上が増えたかどうか」にいきなりジャンプしがちです。
行動量を増やせたとしても、行動の質が上がらない営業はそこでつまづいてしまいます。
訪問件数が増えても、売上があがらないメンバーが生まれやすい構造がここにあるのです。

日報管理のリスク

 そうすると今度は日報を書かせて、報告の内容を見て管理するマネジャーが現れます。
多くのマネジャーは「やるべきことをやった事実が書かれているか」という目線で読むので、当然メンバーは「つっこまれないように」細かく書くようになります。
なるべく詳しく書くと指摘は減り、報告のボリュームは増えます。

 日報管理のリスクは、「案件発生時点で実は決着がついていたような楽勝/惨敗案件」を詳しく報告するメンバーが現れることです。
楽勝案件の場合でも「いかに頑張って受注を獲得したか」の物語が描かれ、惨敗商談でも「いかに善戦したか」がてんこ盛りになります。
その結果、大事な接戦商談の情報が埋もれやすいのです。

 
 

フェーズの「前進」に注目する

行動の質を見るためには、「フェーズ」の概念を入れる必要があります。

  • 「訪問したかどうか」で終わらせず、商談が前進したかどうかを見る

  • 「報告内容へ突っ込む」ことに終始せず、商談が前進したかどうかを見る

フェーズの「前進」に対する注目が、行動の質に対するマネジメントの根幹を支えるのです。

 
 

 「フェーズ」の話をすると、時々「それは高度なSales Force Automation(SFA)の話ですよね?当社はまだエクセル管理でして……」という反応をいただきます。
もちろんSFAだとやりやすいのですが、Excelでもフェーズを見ることは十分にできます。

 要は「前進しているか、停滞しているか」に焦点を当てるということなのです。

 
 
 

◆無料個別相談会◆

「無料個別相談会」として、代表高橋や弊社コンサルタントへ直接ご相談いただける場をお作りします。


◆TORiX WHITE PAPER◆

これまで50以上の業種、3万人以上のセールスパーソンの成長を支援してきたノウハウを、ホワイトペーパーとして公開中です。


 
 
高橋浩一