大口案件が発生するメカニズムと作り方

エンタープライズ企業への営業活動で大口案件が発生する際にはメカニズムがあり、案件には発生パターンや発生条件など様々なシチュエーションがあります。

今回は、それぞれの状況や行うべき行動について順を追って説明いたします。

 
 

ある程度の規模の企業や取引になると、予算がないのにいきなり「上申してください!」と言ってもなかなか通してもらえないのがほとんどです。

まずはその案件がどのような状況なのかを把握し、戦略を立てる必要があります。

様々な予算の状態をとしていくつかの状態があり、それを図にしたものが上記での図になります。

予算の「枠」と「額」

図の見方としては、横軸が予算の枠が確定しているか、未定であるか、縦軸が予算の金額が明確であるか、不明確であるかという形になっています。

Aの場合

まず予算枠が取られ予算額も決まっている段階です。
案件化すると合見積やコンペが発生する可能性があるので少し難易度が上がります。

Bの場合

予算の枠は確定しているが予算の額が不明確である段階です。
ある程度高い価格提案だったとしても予算が通れば受注に繋がる可能性が高いです。

Cの場合

予算の枠は未定ですが、明確に予算額が決まっている段階です。
例えば、既に別の会社に頼んでいる案件があるが、来年度予算化されるかどうかまだ決まっていないという状態で金額感(予算感)はお客様の方で把握されている状況になります。

Dの場合

予算の枠が未定かつ予算の枠が不明確ということで案件は浮上してるが何も予算が決まっていないという段階になります。

まずお話をいただく段階で一番理想的なのはBのシチュエーションですが、B段階からいきなり受注を取るのはやはり難しいです。
この場合、いかにCやDの段階で情報をキャッチしておくかが重要となります。

予算の決まり方

次に予算の決まり方としてイレギュラーとレギュラーの2つがあげられます。

イレギュラーの場合

例えば、経営層から課題対策ツール導入などの要請があり、それに従って予算の枠、そして予算の額が確定し、発注先が決まるというケースです。

この際に経営層から現場層に相談が下りるタイミングで担当者と予算感などのコミュニケーションが取れていれば、いち早く予算を確保いただける状況へとつなげることができます。

レギュラーの場合

例えば、毎年行っている施策など既に経営層及び現場層から話があがる段階で予算感が把握できているので、安定的に予算を確保できる状態です。

イレギュラー、レギュラーのどちらにせよエンタープライスや大口案件を取り扱う方はお客様の課題や会社方針をしっかりと掴んでおくことが大事になります。

予算の決まり方に関しては会社ごとにバラバラであり属人化しているものになるので、それぞれの会社事情や個別人事などの情報を取りいれておくことがエンタープライズなどの大口案件を取る必須条件だと考えています。

しかし大口案件の際に上記内容を一発で取り入れるのはかなり難易度が高いですが、ここで必要になるのが案件の使い分けです。

「きっかけ案件」と「本命案件」

額がそれほど大きくなく重要性が低い「きっかけ案件」の際は、予算に関する事情を“隅々の隅々の隅々まで”ヒアリングしましょう。

ここで多くの方がスケジュールなどを聞いて終わってしまうのですが、もっと掘り下げてヒアリングすることが大事です。

例えば、予算枠で言うと、「誰の発言で決まるか」「どういう会議で決まるか」「予算作成資料を誰が作成しているのか」などがあげられます。

予算額に関しては、「何社から見積を取るのか」「予算資料の承認はだれが行っているのか」「前年度に比べ予算は上振れ下振れ横這いする傾向が多いのか」など、予算決定の方針についてもヒアリングしましょう。


もう一点、大企業が相手の場合は特に大事なのが担当者の方の社内評価を上げることです。

その会社がどのような評価ロジックなのか、担当者の方がどういう成績行動を行えば評価が上がるのかなど、お客様の評価にまつわる背景を理解しておく事で、ある程度攻め口が見えてきます。

これを行っていれば「本命案件」の際にかなり優位な状態でご提案に進める事が可能です。

多くの方が予算の発生タイミングや時期には注目するのですが、その周辺でどこまで深く情報を知っておくべきかを理解し、大口案件の獲得率を上げていきましょう。


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