メンバーのスキルの伸ばし方
「メンバーの質問スキルが低くて……」など、育成課題に悩むマネジャーからよく相談をいただきます。
そこで今回は「力の伸ばし方」について解説します。
力を伸ばすための9つのポイント
①レベル定義
②成功体験の設計
③ピンポイント練習
④お手本の作成
⑤練習の仕方を練習
⑥量をこなす仕組み
⑦本番環境に接続
⑧学び方の学習
⑨学習サイクル
①レベル定義
「できるかできないか」の二元論で捉えられがちですが、段階的な設定が必要です。
質問に関するスキルを例にすると、
【LV1】シートを見ながら質問できる
【LV2】完全に頭に入った状態で質問できる
【LV3】答えやすく、自然な会話の流れで聞ける
【LV4】かわされても、踏み込める
【LV5】かわされても聞き出せる
といった細かいレベル設定をします。
②成功体験の設計
メンバーのスキルを引き上げるためには、まず「できる」体験をしてもらい、次に「もっと上のレベルにトライする」という設計にしましょう。
挫折からスタートしてそれを乗り越えられるのは一部の超人だけです。
最初は、絶対にクリアできることから始めましょう。
難易度に応じた分解が必要です。
③ピンポイント練習
UCLA伝説の名将ジョン・ウッデンは、「練習を細かく分ける」ことで有名でした。
営業スキル強化も「実際の商談の流れにそって一通りやってみる」から始めてしまうと、「どこができてどこができないか」がわかりにくいので、場面を細かく分けて、ピンポイントに、鍛える部分を絞っていきましょう。
④お手本の作成
練習にあたっては、「お手本動画」と「動画を見る際のチェックポイント」が必要です。
これがないと、メンバーが単独で練習できません。
お手本動画は、良い例だけでなく、あえて悪い例も作っておくと有効です。
動画を見る際のチェックポイントは、プロセスにそって箇条書きで作っておきましょう。
⑤練習の仕方を練習
マネジャーが逐一ついていないと練習できない構造になっていると、マネジャーの工数がボトルネックになります。
マネジャーは「レベルチェックテスト」を行い、練習はメンバー同士で行う仕組みにしましょう。
そのために、メンバー同士で行う「練習方法」を、予め皆で確認しておくことが必要です。
⑥量をこなす仕組み
あとは、たくさんの反復練習をしてレベルを上げていきます。
マネジャーのレベルチェックテストは、きちんと練習しないとクリアできないよう設計し、レベルに応じて難易度を上げましょう。
メンバー同士の練習は、忙しさから優先順位が落ちないよう、「10〜15分程度の短時間でできる」ようにすることがポイントです。
⑦本番環境に接続
手段が目的化しないよう、本番環境とつなげていきます。
時折、実際の商談の流れそのままにやってみて、「上達の実感」が得られるようにしましょう。
また反復練習をしたら、実際の商談や営業活動で成果が上がるよう、マネジャーが実際の商談に同席して「練習のかいがあって成果出た」場面を共に体験すると効果的です。
⑧学び方の学習
ほとんどのメンバーは、振り返って改善して次に活かすということを日常化していません。
いわゆるKPTレベルでよいので、「学び方」につながる行動習慣をつくりましょう。
Keep:うまくいっていることはそのまま続ける
Problem:問題点を改善する
Try:新しく何かを試みる
⑨学習サイクル
ここではD.コルブの「経験学習モデル」を援用します。
「経験→内省→概念化→試行」が回るようになってくると、メンバーの成長スピードが上がっていきます。
経験学習モデルは非常に有名ですが、実行する前に、
レベル定義
練習とレベルチェックの方法
練習をやり続ける動機(実際に成果が出る)
までを整えておくことが重要です。
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