営業における勝ちの定石をどう押さえるか?

 オセロで4つの角を押さえれば有利になるように、営業でも急所となる「4つの角」があります。

営業における「4つの角」

 営業が押さえるべき4つの角とは、

(1)競合に先駆け重要な情報をつかむ
(2)お客様のキーマンに当社の価値を理解いただく
(3)なぜ当社を選ぶかのロジックが明快になる
(4)各関係者に必要なアクションを取っていただく

です。
この4つの角をどう押さえるべきなのでしょうか?
営業現場では「直接的な指示」がなされますが、「どうやったらそれができるのか」がわからずに皆が苦しんでいるのです。

 
 

勝ちパターンの定石を作る3原則

 勝ちパターンの定石を作る上で、3つの原則があります。

  1. 「ずっと昔からの当社ファン」より「迷った末に当社を選んだお客様」の声にヒントがある

  2. 「なぜ」「どうやって」にはぐらかされたら、具体的な経緯や事実を確認する

  3. 「当社を選んだお客様」だけでなく、「当社を選ばなかったお客様」の声も参考に

これらをひとつずつ見ていきましょう。

1.「迷った末に当社を選んだお客様」の声にヒントがある

 ずっと昔からの当社ファンであるお客様に「なぜ他社より先に当社へ重要な情報を教えていただけたのか?」と尋ねると、当社びいきの答えが返ってきます。
もちろん、自社のファンを大切にしてしっかり貢献することは重要なのですが、「勝ちパターンを探る」上では、あえて「お客様が迷う」接戦に目を向けましょう。

 
 

2.具体的な経緯や事実を確認する

 「接戦の受注決定場面を問う質問」の後、4つの切り口を問います。

  • なぜ、他社より先に当社へ重要な情報を教えていただけたのか?

  • どうやって、貴社のキーマンに当社の価値を理解いただけたのか?

  • どうやって、当社を選ぶロジックを作っていただいたのか?

  • なぜ、各関係者に必要なアクションを取っていただけたのか?

 
 

3.「当社を選ばなかったお客様」の声も参考に

 失注からは「繰り返したくない敗因」を探ります。

  • なぜ、他社より先に当社へ重要情報を教えていただけなかったのか?

  • なぜ、貴社のキーマンに当社の価値を理解いただけなかったのか?

  • どのように、当社を選ばないロジックになってしまったのか?

  • なぜ、各関係者に必要なアクションを取っていただけなかったのか?

 失注ヒアリングを終える前に聞いておきたいのは、「仮に、当社の行動をXXXのように変えていたら、当社が選ばれていたか?」ということです。
この質問にお客様が逡巡することがあり、そのときは、まだ本音を聴けていません。
だから最後に「正直なところ、本当の原因は何だったのか?」まで踏み込んで聞いてみましょう。

 
 

 勝ちパターンを作るのと同様に、同じ負けを繰り返さないことも重要です。
ただ、お客様は建前と本音を混ぜて回答してくるので、真の敗因は特定しづらいものです。
「とりあえず他社が安かった」「提案が要件に合わなかった」などといったことはよく言われますが、一方で、「営業への不満」や「費用対効果への腹落ち不足」は言われにくいのです。

 
 

接戦の振り返りは学びの宝庫

 接戦における受注・失注のヒアリングから、抽象的な精神論だけで終わらせず、「具体的にどうアクションを取っていけばよいのか」まで落とし込みましょう。
「4つの角」を自社(自分)なりに磨き込んでいくことで、勝ちパターンに再現性が生まれます。
これは、組織単位で行うのが効果的です。
接戦の振り返りは学びの宝庫です。

 
 
 

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高橋浩一