オンラインとリアルのハイブリッド営業へどう移行するか

 新型コロナウイルスの感染状況もやや落ち着き、対面商談もできるようにはなりましたが、まだなにかと制限が残り、好きに会うのが難しい日々が続いています。
そして、移動時間などを考えるとやはりオンライン商談は効率的です。
対面とオンラインをどう組み合わせるのが最適なのでしょうか?

 オンラインとリアルの”ハイブリッド”を機能させるために、外せない1つのプロセスがあります。
それは「メール+電話の進化」です。

 まず、営業活動を「対面商談ありき」だけで考えていると、それ以外の電話やメールが単なる”おまけ”になってしまいます。

 「事務的なやり取りは電話やメールで、大事な話は会ってから」という世界観では、オンライン商談をうまく活用しきれません。
なぜなら、対面に比べて「単に不便な手段」にしかならないからです。

最初に磨くべきは「メールの内容」

 ハイブリッド営業を成功させるための入り口は、実は、オンライン商談のスキルを磨くことではありません。まず磨くべきは「メールの内容」です。
テンプレや事務手続きではなく、お客様のお役に立てるコンテンツや、喜ばれる情報をメールでお届けすることによって、「口頭のやり取り以外での貢献」ができるようになります。

 口頭のやりとり以外で、情報をメールで届けることに価値を感じていただくと、「口頭で補足する」権利がもらいやすくなります。
お客様も忙しいので、できることなら効率的に要点を知りたいのです。

 そこで、10分ぐらいの「電話商談」が力を発揮します。
お送りしたコンテンツをもとに、10分でも濃密なやり取りができるようになります。

「メール+10分電話商談」をマスターする

 「コンテンツを載せたメール+10分電話商談」が機能すれば、お客様と顔を合わせない状態でも有意義なやりとりができます。
このまま10分電話商談を続けてもいいけれど、「時間を決めて、オンラインで画面共有しながら話す」ことは、お客様にとってさらにメリットが大きくなります。
そこでオンライン商談へと繋がるのです。

 「予めメールで送ったコンテンツをもとに10分電話商談」ができる営業にとっては、オンライン商談など簡単です。
相手がカメラOFFでもパフォーマンスは落ちません。
お客様にとっても、「効率よく、大事なことをやりとりできる営業」は大事にしたい存在です。
オンライン商談が双方にとってプラスを生み出していきます。

オンライン商談を”オプション”に

 仮に、「対面で会えないからオンライン商談を」という世界観ならどうなるでしょうか?

・オンライン商談は、対面に比べて情報量が少ないし、なんだか面倒くさい
・わざわざそんなことするより、さっさと大事な情報をメールで送ってくれ
・なぜ無理にオンライン商談のアポを取ろうとするのか?

というのがお客様の心理です。

 しかし「メール+電話の進化」を経れば、オンライン商談は、営業にとって”オプション”になります。
自らの営業活動を効率化し、お客様との合意度を深めるための有用な手段となるのです。
いざとなったらオンラインだけで進めてもいいですし、勝負どころで対面商談をオファーしてもいいですね。
このように「選べる状態」になっていることが重要なのです。

 

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高橋浩一