商談における営業とお客様の話す「時間バランス」
よく、「しゃべりすぎる営業は売れない」「8割は聴いたほうがよい」と言われますが、実際には、5種類の時間帯の組み合わせ方が重要です。
「営業:お客様」の話す割合について5パターンに分けてみると、商談はこの5つの時間帯の組み合わせから成り立っていることが分かります。
・1:9→ヒアリングに徹する時間
・3:7→ディスカッション気味のヒアリング
・5:5→ディスカッション
・7:3→ディスカッション気味の説明
・9:1→たたみかける勝負所/一方向の資料説明
それぞれについて、より詳しく解説します。
(1)1:9→ヒアリングに徹する時間
お客様の業務背景や課題、ニーズなどをじっくり「聴く」ことに徹します。
しかし、単なるインタビューや一問一答のような展開が長く続きすぎるとマンネリ化するので注意が必要です。
自社より先に入り込んでいる競合がいる場合、この時間はお客様にとって「めんどくさく」感じられてしまう恐れがあるので注意が必要です。
(2)3:7→ディスカッション気味のヒアリング
理想の「ヒアリング」いえる割合です。
枕詞や特定質問をフル活用し、こちらからの質問やコメントを的確に差し挟むことで会話が活性化します。
そのためには、事前にお客様のことを調べたり、仮説を立てたりといった準備が欠かせません。
(3)5:5→ディスカッション
会話のキャッチボールが行き交い、議論が活発化する時間帯です。
商談に用意する資料を、「こちらから説明する内容」だけで構成していると、この時間は生まれにくいでしょう。
ある意味で「物議を醸す」「お客様の核心部分をテーブルの上に出す」1枚をキースライドとして仕込んでおくといいでしょう。
(4)7:3→ディスカッション気味の説明
資料説明をしつつも、お客様との会話が往復することで、理解が深まります。
説明する資料について、「このページでは営業からこれを”質問しよう”」といったポイントを予め決めておくと双方向になりやすくなります。
一通り説明してから最後に「ご質問ありませんか?」とならないよう注意しましょう。
(5)9:1→たたみかける勝負所/一方向の資料説明
勝負どころでは、熱くお客様に想いをぶつけましょう。
ただし、この時間は長くなりすぎないよう注意が必要です。
これとは別の趣旨で、場の立て付け上「一方向の資料説明」を行わざるを得ないときもありますが、できれば避けた方がいいでしょう。
商材や場面によっても変わるため一概には言えませんが、以上の5つが組み合わさった結果、トータルで「話す:聴く」の割合は3:7〜5:5になると考えられます。つまり、商談において営業とお客様の話す理想と言われる「話す2割・聴く8割」は、結果として生まれるものではないでしょうか。
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