【保存版】ルート型、アカウント型がそれぞれ取るべき行動と戦略 総集編 【9】アカウント型営業のマネジメント
今まで、ルート型、アカウント型のお話は何度か触れてきました。
営業は基本的にこの2つに分かれているので、ご自身がどちらの営業なのかを踏まえて、それぞれの特徴や取るべき戦略を見極め、行動していくことが成果に繋がります。
そこで、今回はルート型、アカウント型における戦略や成果を上げるコツなどをすべてまとめ、全10回でお伝えします。
第1回:【1】ルート型とアカウント型
第2回:【2】一つの指針を貫くことの難しさ
第3回:【3】一つの組織にも混在するパターン
第4回:【4】両利きのすすめ
第5回:【5】ルート型営業のマトリックス
第6回:【6】ルート型営業の量から質への転換ステップ
第7回:【7】ルート型営業の顧客のマトリックス
第8回:【8】ルート型営業のハイ・パフォーマー
情報戦のアカウント型営業
アカウント型の営業は、一言でいうと情報戦です。
顧客者数はルート型に比べて絞られますが、それぞれの社内での関係者が多岐にわたり、意思決定プロセスも複雑な組織を攻略していくことになります。
そのため、まずはキーパーソンをどれだけおさえられるかということが重要になります。
概して金額単位も大きい取引なので、基本は入札や稟議などのプロセスが前提にあり、競合からの提案もあったうえで、お客様の意思決定プロセスの中での選択肢x選択軸で選ばれるかという勝負になります。
提案そのものが良くても、なかなかスパッと全勝というわけにはいきません。
この図では、取引先(商談)の難易度を、「まあ受注しやすい楽勝」「やり方次第で勝敗の分かれる接戦」「誰が行っても勝てない惨敗」に分類しています。
営業から見て「楽勝ゾーン」のお客様からは、最初から本命で仕事を半分もらっているようなものです。
逆に「惨敗ゾーン」のお客様からは、そもそも形式的な当て馬として、すぐに「見積ください」と要求されてしまったりします。
皆さんの会社でも、スキルや経験が不十分な新人営業の方は、お客様から見積をください、提案をくださいと急に言われて、振り回されてしまっていることも多いのではないでしょうか?
最近負けていない理由
ここでひとつ、先日、某会社から「今少し営業が厳しいので、幹部のトレーニングをしたい」というご相談をいただいて、マネジメント研修に伺った際のエピソードを紹介します。
研修の冒頭で、惜しくも負けてしまった案件の振り返りをして、そこでどう勝って行けばよいかを考えていきましょうということで、私から「皆さん、最近惜しくも負けてしまった案件って、どんなものがございましたか」と質問しましたら、受講者の幹部の皆さん、ポカーンとされてしまったんですね。
「どうしたんですか」と聞くと、口々に「俺、最近負けてない」「俺も勝ってばかりだな」「そうだよね」と…
…本当に負けていないなら、営業が厳しいはずはないですよね。
そうです。皆さん、楽勝ゾーンでしか戦われていなかったということなのです。
難易度を見極め、接戦ゾーンに力をかける
アカウント型の場合は一つの商談の提案サイクルが長くなりますから、その間にいろいろなポイントで情報を把握し、機を見て動き続けるという情報戦になります。
アカウント型でパフォーマンスが出せる営業というのは、案件の難易度を早々に見極めて、接戦ゾーンにしっかり力をかけて、確実に取っていける方ということになります。